現在、テレビドラマの安直な映画化が乱発されている。そしてアニメーションも、エヴァンゲリオン劇場版の大ヒットにより、本作のようなマニア向け作品の劇場版企画が通りやすくなっている。案外手堅い商売だということに、業界が気づいたためだ。
だが、テレビドラマの映画版はそろって排泄物のような出来なのに、アニメの方は比較的クオリティが高い。「涼宮ハルヒの消失」に限って言えば、これがはじめて世に出た一作目だとしても、十分ブームを巻き起こせるであろうほどに魅力がある。何しろ、ハルヒ初心者の私が2時間40分も没頭できたのだから本物だ。
おそらくクリエイターも、エヴァンゲリオン劇場版の成功に大きな刺激を受け、士気が高まっているのではないか。
ファンだけを相手にしようとか、ちょちょいと作ってしまおうという安直さはまったく感じられない。この映画も、女子高生の生足の描写などはテレビアニメとは別格の、相当気合が入った仕事ぶりだし、長時間の上映時間を有効に利用した間の取り方は、独特の世界観の構築に成功している。このあたりは、劇場で高回転を狙うような作品ではなかった事が幸いした。
今回の影の主役は長門有希というキャラクターだが、これがまた、監督から動画スタッフの末端にいたるまで、間違いなく全員に愛されているのだろうと思えるほどに輝いている。長門は俺の嫁という、これまで意味不明であった言い回しの理由が、私にもようやくわかった。